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前回・前々回に引き続き、愛知県犬山市の犬山祭りからお届けしています。 前々回が祭りの準備~巡行まで、前回は巡行の始まりから一旦針綱神社境内へ車山(やま)が勢ぞろいしたところまででした。 というわけで、↑が13基がずらっと並んだところです。数が多いので全部入りきりません~!! なかなか壮観でしょう? さて、その中の一基・中本町の西王母(せいおうぼ)が演技を行います。 演技って?そう、これが犬山を初めとする愛知の車山の特徴なのです。 普通の山車は二層ですが、犬山型は三層、一番上に「からくり人形」二番目はそれを操作する場所です。 辺りはものすごい人出で、とても全景を捕えられなかったので、前面だけなのですが。 昔、中国の崑杏(こんろん)山に西王母という仙女が住んでいて、不老不死の仙桃を食べて、3千年もの長寿を保っていました。ある日、仙女が仙桃を採ってくるように唐子(お手伝いの子?)に命じると、唐子は直ちに大木に登り、枝から枝へと回転しながら飛び移っていきます。そして最後に巻物にぶら下がって、そのまま台の下に沈んで一旦姿を隠したかと思うと、再び現れ、逆立ちをして「瑤台」と書かれた額に変身する、こういう筋立てです。 唐子が枝をくるくる飛び移るところが見せ場です。 犬山祭りでは13基すべての車山が「からくり」を演じてくれます。 変身したり、酒に酔って顔が赤くなったり、太鼓を打ったり・・・・色々なしぐさをしてくれるので、とっても楽しいですよ♪ 13基全部の「からくり」はこのサイトに載っております。 今回はなんと、糸がちょっと引っかかってしまったらしく、操り手の方がちょっと出てきて直すというお茶目な場面も見せていただきました(笑) いやー大変ですよね~とっても古いものを修繕しながら使い続けておられるのですから。 犬山祭りの起源は寛永12年(1635)とされていますが、慶安2年(1649)の頃,二代目犬山城主成瀬隼人正虎が直接「からくりによる祭り」を奨励されたとのことです。 なぜ?「からくり」なのでしょうか。 ここからの写真は夜の部、車山の二層・三層部にちょうちんを灯して練り歩くものとなります。 ものすごい人出でした!一応三脚を持っていったのですが、三脚どころか・・・・ 一眼レフを出すことさえままなりません(>_<) すべての写真はルミックスで撮っておりますので、出来が悪いのはご勘弁くださいませ<(_ _)> 日本における「からくり」は、聖徳太子の摂政時代(593年~622年)以降、遣隋使、遣唐使などにより、技術として移入されたことが始まりと言われています。 江戸時代のはじめに欧州から機械時計が伝来し、この機械時計に用いられていた歯車やぜんまい、滑車などを応用して、さらに糸を操って山車(だし)の上で動かしてみせたのです。 “山車からくり”というと岐阜県の高山祭が有名ですが、実は愛知県には、全国に残っている山車からくりの7割ほどが集中しており、最も山車からくりが盛んなところだったようです。 おそらく成瀬の殿様も、「この新しい技術を使って皆を驚かせたい」と思われたのでしょう・・・・ 日本で最初に和時計を造った津田助左衛門が当時尾張の徳川に仕えていた、ということも大きいと思います。 尾張の付け家老だった成瀬正虎は、彼と接触する機会もおそらくあったでしょう。 「からくり人形」と聞くとどなたも思いだすのは「茶運び人形」でしょう・・・ でも、実はもっとすごいのがあります。それは「弓曳き人形」、Youtubeにありましたのでここでご紹介いたします。 首をかしげるしぐさなんて、人間そっくり!ものすごいです~\(◎o◎)/! いやぁ、こんな時代から日本人は単なる道具に命をふきこんできたんですね~ 確か日産自動車の工場では、単なる?自動車組み立て機械に「百恵」「淳子」なんてアイドルの名前を付けてたんでした。 「鉄腕アトム」だって単なる?ロボット?なんですけどちゃんと人格?がありますよね~スーパージェッターだって、「流星号」をまるでペットのように扱ってます♪ 話が脱線してしまいました・・・・ 江戸初期、尾張に玉屋庄兵衛というからくり人形師が京都から移住してきます。現在名古屋で現役のからくり人形は約370体、そのほとんどが彼と彼の子孫(現在9代目が現役中)が造ったものとされています。 彼の弟子たちは銘々それらの人形を携えて全国に散らばって行きます。 各地の例祭などで、からくり興行師による人形が披露されると、集まった老若男女は感嘆したそうです。 そういう人たちの中に、久留米の14歳の少年・田中久重が居ました。 彼もまた「からくり」に魅了され、のちに「からくり人形師」として活躍します。(ちなみに先ほどの「弓曳き童子」も彼の作です) 維新後、東京に移り住んだ久重は銀座に店を構えますが、その店の傍らには「万般の機械考案の依頼に応ず」との看板が掲げられました。 これがあの東芝の創業でした。 名古屋→機械製作、とくれば絶対に忘れてはいけないのが豊田佐吉でしょう。 私は昔国語の教科書で彼の偉業を読んだ覚えがあります(笑)日本人なら誰でも知っている、自動織機の発明者! そしてトヨタの基礎を作った豊田喜一郎氏の父親。いやー天才の子が凡人でなくて本当に良かったです(*^_^*) いろんなことをとりとめもなく書きましたが、思うにこの地方には昔から「発明」「ものづくり」に取り組める風土があるのでしょう。 現在でもASIMOを産みだしたホンダはお隣ですし。 そういう気風を失ってはいけないなぁ・・・・とつくづく思います。不況だって世界的な発明があれば、逆転可能なのですから。
by kyoncci
| 2010-04-22 00:36
| 祭り!フェスタ!イベント!
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