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by kyoncci
重森三玲の世界・豊中N邸の枯山水
開運!お宝鑑定団」というテレビ番組が大好きです。
べつに骨董に趣味があるわけでもなく、収集したいと思ってるわけでもありませんが(-_-;)
先祖伝来の家宝や、知人から譲られたもの、はたまた旅行先で一目ぼれして買い込んだもの、それらが一体おいくらするものなのか?それを知りたくて集まってくるひとたちの、欲と期待のこもったギラギラ感?も面白いけれど、
「なるほど~日本にはこんなすぐれた陶工や画家・彫刻家が居たのか!」と知ることはもっと面白い。考えてみれば日本人のくせに「古典派と印象派の絵の違いはわかる」けれど、「琳派と狩野派の違いはよくわからない」私は、恥ずかしい存在なのかも・・・・・
とにかくあの番組を見て、「日本文化に目覚めた!」という人は決して少なくないと思います。そう、私のように(笑)

ずいぶん前置きが長くなってしまいましたが、今日お届けするのは昭和を代表する作庭師・重森三玲(しげもり・みれい)氏の初期の作品、枯山水「青龍庭」です。

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重森三玲(呼び捨てして申し訳ない)は、1896年(明治29)岡山生まれ。最初は画家を目指して上京しますが、その興味の対象はまずいけばなへ、そして日本庭園にと変化していきます。
まったくの独学で作庭技術を学び、最初に手掛けたのが東福寺方丈庭園でした(1939・昭和14年)。
その翌年、個人の邸宅としてはおそらくかなり初期に手掛けたのが、この豊中にあるN邸の枯山水です。その年が辰年であったことと、白砂であらわした水の流れを龍にみたてて名付けられたそうです。

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離れの座敷からながめたお庭の姿。白砂の盛りが、富士山のようです・・・・

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こちらは、離れにつづくお茶室(お茶人なら喉から手が出るほど欲しいだろう四畳半台目のすばらしいもの)からの枯山水の眺め。
出前のマキの木の風情がいいですね~(*^_^*)

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この白砂は現在では日本では産出していないのだそうです。
左側は蹲(つくばい:お茶室に入る前に手を清める場所)

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N邸には大小8個の灯篭がありますが、この灯篭は「織部灯篭(おりべとうろう)」と呼ばれています。竿石の形が独特で、なんでも古田織部が当時流行っていたキリシタンの影響を受けて作ったもの、とされています。(もちろんキリシタン排斥の前です)

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お茶室の内部は四畳半台目、だと思います~(~_~メ)

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お茶室の軒にあった、蝉の抜け殻。「空蝉(うつせみ)」です・・・・
あんな高いところに、しかも二匹も!
この軒で羽化しているところを、撮りたかったです!

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重森三玲氏の作ったお庭は、大徳寺山内瑞奉院庭園・瑞峯院独座の庭・松尾大社のお庭など枚挙のいとまがありません。
氏はまた『日本庭園史図鑑 全26巻』という膨大な著作も残しておられます(現在絶版)
京都の吉田山には重森庭園美術館(重森氏が生前住んでおられた)があり、現在公開されています(要予約)。私はなんとかこの記事をUPする前に行きたかったのですが、時間がありませんでした・・・

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N邸には洋館部分もあり、母屋と洋館をつなぐ渡り廊下がすてきです♪
重森三玲氏の作庭は「モダン枯山水」と呼ばれていたそうです。
昔ながらの作風を踏襲しつつ、力強く端麗な石を自在に配置する、そのお庭にぴったりの廊下だと私は思っています。

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もし、もしですが。このお庭が「鑑定団」に出されたら、いったいいくらの値が付けられるのか?
想像することもできません(おそらく大変な値段がつくことでしょうけれど)・・・・しかしもしこのお庭が気に入って「欲しい!」と思ったとしても、枯山水の移築など聴いたことがありません。
お茶室などは解体してたまーに売ってますよね、yahooのオークションで(笑)

N邸は有形文化財となりましたので、末永くこのお庭は残ることとなりました。
しかし持主の方は大変な思いをされてこの庭を守ってこられたと思いますし、これから先もその御苦労はつづくことと思います。
私ごとで恐縮ですが、この前魚崎にあった母方の祖父の家の近所に用事があったので、ついふらふらと昔の家を見に行ってしまいました。
もともと枯山水はありませでしたが(笑)、松の木の美しい庭も金魚の遊ぶ池も無くなり、なんと四分割されて売られておりました(>_<)
そうやって消えてしまった名庭園もきっとたくさんあったのでしょう・・・日本全国に。
古いものがすべて良い、とは決して申しませんが、庭もまたひとつの日本文化である、ということを再確認した一日となりました。

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最後の一枚、↑ の写真はなんだと思われますか?
これ実は蓄音器なんだそうです~~\(~o~)/びっくりですよね~~
これこそ「お宝鑑定団」にだせますよね~~

N邸のその他の写真につきましては、N様のご承諾を頂いて

http://homepage2.nifty.com/nyaon/shigemori/index.html

へUPしております。
ブログには載せきれなかった洋館内部、珍しいステンドグラスなどの写真もあります。
ご興味がおありでしたら、ぜひご覧くださいませ<(_ _)>
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by kyoncci | 2008-07-02 00:00 | 関西よもやま話
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