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久しぶりに千葉から記事をUPしております(前回3月末の時はPCがブラックアウトして、大事をとって何もしなかったので・・・(>_<))。 前回に引き続き、愛知県犬山市にあります犬山城です。 これはお城の北側、絶壁のほうから撮っております。 北東は高い崖のため「後ろ堅固の城」、別名「白帝城」。これは木曽川沿いの丘上(88m)にある城の佇まいを長江流域の丘上にある白帝城を詠った李白の詩「早發白帝城」にちなんで江戸時代の儒学者・荻生徂徠が命名したと伝えられています。 朝辭白帝彩雲間 朝早く朝焼け雲の下、白帝城を辞去し、 千里江陵一日還 はるかに離れた江陵に、一日の中に戻っていく。 兩岸猿聲啼不住 両岸(の山々)では、猿の啼き声がやまないが、 輕舟已過萬重山 軽やかで速い小舟は、すでに幾重にも重なった多くの山々の間を通り過ぎた。 さて、城の最上階へ登ります。 ここは20畳くらいの板の間になっております。 周囲の壁には、江戸時代の初めにこの城を拝領した成瀬正成(なるせまさなり)から現代まで延々と続く「成瀬家」の人々の肖像画が掲げてあります。 正成は徳川家康の小姓だったのですが、小牧・長久手の戦いのときに17歳ながら勇敢な働きをした、ということで根来衆50名を与えられ一軍の将となります。 大阪夏の陣を経て晩年まで家康の側近として働きますが、徳川 義直(とくがわ よしなお>家康の九男、尾張藩の初代)の付家老(つけがろう)として名古屋に行き、犬山城を拝領したわけです。 それから江戸時代の終りまで9代にわたる人々がこの城に君臨しました。 その後、明治維新になり尾張藩が無くなり、しかも廃藩置県のためお城は取り壊されそうになります。 (天守を除いて櫓・城門などほとんどが取り壊されたそうです) ところが1891年(明治24年)の濃尾地震で天守の東南角の付櫓が壊れてしまいます。その時に明治政府にはお金が無く、城の修復を条件に九代・成瀬正肥(まさみつ)に無償で譲渡されたそうです。 こうして明治29年、この城は名実ともに成瀬家のものになったのです。 天守の外へ出てみます。 お城の南側です。先ほど入ってきた門が見えます。 びっくりするのは、柵がとても低いこと。ですからとても眺めが良いのですが・・・・・ 正直言って「ちょっとコワイ」と思う人もいらっしゃることでしょう(私は高いところは好きですが(*^_^*)) また、ほんの少し外側に傾斜があります。これもかなりコワイです(笑) 大阪城などは高い高い柵を設けてます、ですから外の景色はぜんぜん見えません(怒) 現在、このお城の管理をされている成瀬淳子さん(12代成瀬正俊氏の長女)は柵を高くせず「あくまで昔のまま」に、とおっしゃっておられます。 その代わり、天守には必ず見張り人を置くようにされているのだとか。 そして↑は南西、木曽川と川のほとりの桜並木が良く見えます。 不思議なかたちの山・・・・ 向こうに見える山は伊木山、岐阜県各務ヶ原市の山です。 本当にここは前線基地だったのだなぁ~と思います。 こちらは北西、木曽川を渡る名鉄の赤い電車が見えます♪ 右下にある協会の様なものは、名鉄犬山ホテルという有名ホテルのチャペルです。 ここには織田信長の弟、織田有楽斎の建てた「如庵」というお茶室が移築されています。 ところで明治からあとの成瀬家ですが・・・・ 11代の成瀬正勝氏は東大教授の国文学者、12代の成瀬正俊氏はアララギ派の俳人で朝日放送勤務。 1959年(昭和34年)の伊勢湾台風の時に城は多大な被害を受けましたが、成瀬家は私財を投げうち(また寄付も募り)城を補修したそうです。 成瀬淳子さんは「成瀬家は江戸時代には徳川に仕え、明治以後はお城に仕えてきた」とおっしゃいますが、個人でこれだけのものを管理するのはもう不可能ということで、2004年4月財団法人犬山城白帝文庫に移管されることになりました。 本当に永いこと、ごくろうさまでした<(_ _)> 次回はお城を降りて、この日最高のにぎわいを見せていた「犬山祭り」の写真をUPさせていただきます。
by kyoncci
| 2010-04-13 22:08
| 戦国の香り・中部地方
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